春の甲子園大会

花咲徳栄に春の吉報 努力と学び 夢舞台


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センバツ出場が決まり、喜ぶ花咲徳栄の選手たち=埼玉県加須市の同校グラウンドで2016年1月29日午後4時31分センバツ出場が決まり、喜ぶ花咲徳栄の選手たち=埼玉県加須市の同校グラウンドで2016年1月29日午後4時31分

 第88回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)の選考委員会が29日、毎日新聞大阪本社で開かれ、県内からは加須市の花咲徳栄が選ばれた。同校のセンバツ出場は3年ぶり4回目。吉報が舞い込むと校内は歓喜に包まれ、選手らは夢の大舞台に向けて意気込みを新たにした。大会の組み合わせ抽選会は3月11日に行われ、同20日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。

 センバツ出場の一報が届いたのは午後3時15分ごろ。校長室の電話が鳴り、報道陣や学校関係者が集まる中で小林清木校長が受話器を取った。「謹んでお受けいたします」。そう答えて電話を切ると「やったな」と岩井隆監督の肩をたたき、固い握手を交わした。

 その後、授業を終えて集まった選手らに小林校長が出場決定を報告し、「一丸となって花咲の力を全国に見せよう」と激励した。また、岩井監督は「あの舞台に立てるチームは限られている。出られなかったチームの分も頑張ろう」と呼びかけた。

 昨秋の関東大会では、優勝した木更津総合に1−2で競り負けたが、8強入りして存在感を示した花咲徳栄。昨夏に続き、初めて夏春連続しての甲子園出場を果たした。

 岡崎大輔主将(2年)は「昨秋の関東大会で打撃力が課題だと分かった。あの敗北をセンバツに生かしたい」と気を引き締めた。また、昨夏の甲子園に出場した経験から「甲子園は魔境と言われ、歓声の大きさがプレッシャーになる。強い精神力で臨んでいきたい」と話した。

 エースの高橋昂也投手(同)は「出場を信じて練習に励んできた。昨夏の甲子園より進化した自分を見せたい」と意気込んだ。中軸を担う楠本晃希選手(同)は正月、3年前のセンバツに出場した兄泰史さんから「センバツで勝てるようチームを引っ張れ」と激励されたといい、「全国の強豪に負けないようレベルアップして大会に臨みたい」と語った。

加須駅周辺で号外

 花咲徳栄のセンバツ出場決定を伝える号外が29日、同校周辺や東武伊勢崎線加須駅周辺で配られた。

 同駅周辺で号外を手にした中学校教諭、伊藤光芳さん(24)は部活動で野球を教えているといい、「徳栄の選手が甲子園で活躍している姿を見て、野球をやる子が増えると思う。埼玉、関東の代表として頑張ってほしい」とエールを送った。

真骨頂の粘り強さ、03年大会で見せる

 「どんな強豪でも、接戦に持ち込めば勝敗は分からない」と話す岩井隆監督。その言葉は、経験に裏打ちされている。

 花咲徳栄野球部は岩井監督の下で急成長してきた。同部は岩井監督就任直後の2001年夏に甲子園初出場を果たした。03年にはセンバツ第75回記念大会に県内から浦和学院とダブル出場し、徳栄野球の真骨頂ともいえる粘り強さをみせた。

 初戦の2回戦は、延長十三回の末のサヨナラ勝ち。続く3回戦では、強豪の東北に大量リードを奪われながら追いつき、またもやサヨナラ勝利を収めた。

 ベスト8入りして迎えた準々決勝は、息詰まる投手戦となった。延長十五回まで戦って勝負がつかず、翌日の再試合も延長入りする激闘に。結局、延長十回で敗れたものの、最後まで諦めないしぶとさを印象づけた。

 「1点を大切に」「全員野球で勝ち進む」。“岩井イズム”の神髄は今年のナインにも浸透している。チームにセンバツ出場決定の朗報が舞い込んだ1月29日は、岩井監督の46歳の誕生日。チームにとって幸先の良い「球春の便り」となった。

人間是宝 建学の精神掲げ

 花咲徳栄(小林清木校長、加須市花崎)は1982年創立の男女共学の私立校で、生徒数1757人。建学の精神に掲げる“人間是宝”は「人は誰でも努力と勉強次第で、その道の第一人者になれる」ことを意味するという。部活動ではボクシングや空手、女子硬式野球なども全国レベルの実力を持っている。

 学校創立年に創部した男子硬式野球部の部員数は現在120人。甲子園は2001年夏に、センバツは03年に初出場。卒業生に、千葉ロッテマリーンズの根元俊一選手やボクシングWBA世界スーパーフェザー級チャンピオンの内山高志選手ら。昨夏の甲子園で活躍した大滝愛斗選手は埼玉西武ライオンズにドラフト4位指名され、入団が決まっている。

全校を挙げて応援に 小林清木校長

 まずは本当にうれしい。本校が勉強も部活も日本一を目指して取り組んできた成果。傑出したスタープレーヤーがいるチームではないが、持ち味の全員野球で活躍してほしい。甲子園という大舞台への出場は、学校全体にも良い影響となるし、地域の期待や関心も高い。試合の日は全校を挙げて応援に行きたい。

祈るような気持ちだった 岩井隆監督

 生徒たちをもう一度甲子園の舞台に立たせてやりたくて、祈るような気持ちでこの日を待っていた。センバツを見据え、秋に間に合わなかった攻撃力をつけるため、例年の2、3倍の打撃練習をしてきたので、手応えを感じている。関東の代表として恥ずかしくないよう、力を出し切って一つでも多く勝ちたい。

練習の力を発揮して 安斉敏雄・県高野連会長

 2季連続の甲子園出場おめでとうございます。昨年夏の甲子園での経験を生かすとともに、厳しい練習の中で培ってきた力を甲子園でも遺憾なく発揮し、春風とともに紫紺の優勝旗を埼玉に持ち帰ってくれることを心から祈っております。

はつらつとした戦いを 上田清司知事

 甲子園では、花咲徳栄らしいはつらつとした戦いを展開し、紫紺の優勝旗を目指し、正々堂々と全力で頑張ってください。みなさんと一緒に感動を味わえるよう、725万県民とともにご活躍を心からお祈りします。

昨夏の経験を生かして 関根郁夫・県教育長

 出場おめでとうございます。甲子園では、昨夏の経験を糧に、この冬に鍛え上げた力を十二分に発揮し、県代表としてはもとより関東代表として正々堂々と戦い抜いてください。みなさんのご活躍と紫紺の優勝旗の獲得を祈念しております。

加須市民とともに活躍祈念 大橋良一・加須市長

 岩井隆監督をはじめ野球部、関係者の皆様に地元加須市の市民を代表して心からお祝い申し上げます。スクールカラーのブルーに象徴される、はつらつとしたプレーで、日本一を目指して勝ち進んでください。校名通り大輪の花が咲きますよう11万4000人の市民とともに、ご活躍を祈念しております。

昨秋公式戦対戦成績

 県大会地区予選
【1回戦】○28-0国際学院(5回コールド)【2回戦】○12-1不動岡(5回コールド)
 県大会
【2回戦】○9-1小鹿野(7回コールド)【3回戦】○5-3早大本庄【準々決勝】○6-0上尾【準決勝】○9-2春日部共栄(8回コールド)【決勝】●4-6浦和学院
 関東大会
【1回戦】○4-2樹徳【準々決勝】●1-2木更津総合

(毎日新聞埼玉版)

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