一回、自身のミスが失点につながり、試合の流れを奪われた。創部100年の節目に務める主将の重圧は「やはり大きかった」。試合後、胸の内を明かした。
新チームでは練習中の私語などまとまりのなさに苦しんだ。なかなか勝てず、OBから監督に飛ぶやじは自分に向けられているようで、落ち込みもした。
「勝利への意欲」は大差を付けられた4月の練習試合後にあふれ出た。「もっと勝ちたい。ついてきてほしい」。涙ながらの訴えは仲間に響いた。「チーム野球」の必要性を感じ、春の地区大会後は2週間にわたって球に触れず、走り込みや素振りなど地道な練習を続けた。
「精神力を鍛えることができた。チャンスでの集中力が高まった」。今大会は浦和学院戦までの全4試合で初回に得点を挙げてきた。甲子園は逃したが、33年ぶりのベスト8という結果に「全力を出し切った」と表情は晴れやかだった。
(産経新聞埼玉版)