第70回秋季関東地区高校野球大会は24日、横須賀スタジアムなどで1回戦4試合が行われた。今夏の甲子園で県勢初の優勝を果たした花咲徳栄(埼玉1位)は、中央学院(千葉2位)に3-6で逆転負けした。市立川越(埼玉2位)も23日の1回戦で敗れており、県勢の選抜出場は厳しくなった。
好機生かせず
中央学院は1点を追う七回、宇田の右前適時打などで3点を奪って逆転。九回にも1点を追加し、相手を振り切った。花咲徳栄は計11安打を放ちながらも、13残塁を数え、好機を得点につなげられなかった。
今日の敗戦、絶対忘れぬ 花咲徳栄・斎藤倖介投手(2年)
四回2死、得点圏に走者を背負ったピンチでマウンドを任された。「これ以上、点はやらない」。気持ちを込めた1球で左翼フライに打ち取り、ピンチを切り抜けた。
だが、七回には先頭打者から2死球が続いた。2死まで粘ったものの、走者を二、三塁に残したピンチで降板。この回にチームは逆転を許し、序盤のリードを守れなかった。
今夏の甲子園でベンチ入りしたが、ともに3年の綱脇慧(すい)、清水達也両投手の継投策が定石となり、登板機会はなかった。
「このチームに絶対的なエースはいない」。新チーム結成後、岩井隆監督が繰り返し言った。先輩のような圧倒的なエースは不在だが、甲子園のベンチの中で先輩の姿を見た自分は「チームを引っ張る立場だ」と意識している。
試合後、波が激しくなった投球について「真っすぐも走らず、スライダーも切れがなかった」と反省。「今日の敗戦はずっと忘れない。こんな負けは二度としない」。そう言って唇を固く結んだ。