第101回全国高校野球選手権大会第6日は11日、阪神甲子園球場で2回戦が行われ、埼玉代表の花咲徳栄は地元・兵庫代表の明石商に3-4で惜敗し、初戦突破はならなかった。明石商は夏の甲子園初勝利。
客席を埋めた約4万4000人の熱気に包まれる中、第4試合が始まった。明石商の2年生エース中森を前に三回まで完璧に抑えられる重苦しい展開。だが先発・中津原も好守備に助けられ、相手の得点を許さない。
四回表、花咲徳栄は2番橋本がチーム初安打で出塁すると、3連続安打で満塁に。6番中井がフルカウントから、冷静に高めの球を見極めて四球を選び、押し出しで先制した。水色に染まったスタンドでメガホンが揺れた。
五回裏、明石商・水上の中越え2ランで逆転されるも、六回表、橋本が再び安打を放ち、四死球で2度目の満塁に。6番中井の内野ゴロの間に1点を挙げて2-2の同点とした。
試合は一進一退が続く。六回裏には2死走者なしから安打と遊撃手韮沢の送球ミスで2死一、三塁とされ、河野の右前打で再び勝ち越しを許したが、七回表、9番菅原が左翼スタンドにソロ本塁打を放ち再び3-3の同点に。ガッツポーズをする菅原をチームメートが笑顔で迎えた。
七回から登板した高森は先頭の来田に二塁打を浴びると、続く水上の犠打を高森の送球ミスで無死一、三塁とされ、重宮に勝ち越しとなる右前打を許し、三度追い掛ける展開に。九回表は1死二塁と攻め立てるも、あと一本が出ずゲームセット。好試合を見せた選手たちを観客らは拍手でたたえた。
花咲徳栄は県予選のチーム打率が今大会出場校中トップの4割3分2厘と打ち勝ってきたが、明石商の2年生エースの前に6安打と攻略できず。四回1死満塁は押し出し四球で1点、六回1死満塁も内野ゴロでの1点にとどまった。守備では六、七回の送球ミスがいずれも失点につながった。
もう一度作り直す 花咲徳栄・岩井隆監督
また甲子園に勉強させてもらった気分だ。好投手を打ち崩せないと勝てない。もう一度作り直すしかない。2巡目、3巡目で良い当たりも出て、塁に出始めたが、あと一本が出なかった。
考え動いた結果 明石商・狭間善徳監督
うちらしい試合だった。七回に重宮がスクイズを失敗したが、よく打ってくれた。バッテリーも本当によくしのいだ。子どもたちが自分で考えて動いた結果だ。