第70回秋季関東地区高校野球大会は23日、サーティーフォー保土ヶ谷球場(横浜市)などで1回戦3試合が行われた。埼玉県勢は、市立川越(埼玉2位)が國學院栃木(栃木1位)に1-2で敗れ、初戦で姿を消した。24日は横須賀スタジアムで花咲徳栄(埼玉1位)が中央学院(千葉2位)と対戦する。
市立川越、あと1本が出ず
國學院栃木は三、四回の少ない好機を着実に生かして得点。投げては3投手の継投で要所を抑え、市立川越を振り切った。市立川越は六回に河野の中前打と敵失で1点差に迫り、計8安打を放ったがあと1本が出なかった。
投手を援護できる打者に 市立川越・河野泰誠外野手(2年)
2点を追う六回2死二塁。打席で、二回の好機でけん制死したミスを思い出していた。「ここで取り返すしかない」。新チームでの打撃練習で連日振り込んできたイメージ通りの打球は、センター返し。外野からの返球の処理がもたつく間に二塁走者が生還し、待望の1点を挙げた。
「関東大会までに打撃力を上げたい」
新井清司監督と選手たちは秋季県大会後、口をそろえた。監督からは「投手が頑張っているんだから、野手が援護しよう」。自身も「県大会では5番打者としての仕事ができなかった」と振り返る。課題は明確だった。
今夏に引退した3年生や野球部OBらが打撃投手を買って出てくれた。1日約1時間半、元エースの速球を打ち込み、逆方向への打撃を心掛けた。この日、打球は狙い通りの方向に飛んだ。「振ってきたかいがあった」
ただ、その後はあと1本が出ず、試合後に「投手に頼りっぱなしの秋だった」とうめいた。「野手が点を取る」。少しの手応えとともに、監督からの宿題に冬場にみっちり取り組む。