夏の甲子園大会第11日の19日、花咲徳栄は3回戦第2試合で前橋育英(群馬)を10-4で破り、2年ぶりのベスト8進出を果たした。花咲徳栄は一回に4点を先取し、中盤以降も徐々に点差を広げて、粘る相手を振り切った。先発の綱脇投手は七回途中まで3失点に抑え、継投した清水投手が要所を締めた。花咲徳栄は大会第12日の20日、準々決勝第4試合(午後3時半開始予定)で盛岡大付(岩手)と対戦。県勢として1993年に準優勝した春日部共栄以来となる24年ぶりの4強入りをかける。
序盤から花咲徳栄の強力打線が、甲子園に快音をとどろかせた。
初回にいきなり1死二塁の好機が訪れ、3番の西川(3年)が打席に入った。「まなやー!」。応援席のコールに応え、左中間に三塁打を放って1点を先制。西川外野手の母裕子さん(46)が18日に「打つよね」と西川外野手の携帯電話にメッセージを送ると、「勝つよ」と返信があったという。有言実行の息子に「最高です」と上機嫌だった。
さらに、高井の右前適時打などで計4点を先取した。今夏の甲子園では1回戦から3試合連続で先制点を奪い、試合の主導権をぐっと引き寄せた。
二回までに2点を返されたものの、四回には西川の2点適時二塁打でリードを広げた。部員不足で現在は活動していない応援団部の最後の部員だったOBの高野拓未さん(20)は演舞を披露し、「自分が演舞をして得点が入るとうれしい」と爽やかな笑顔を見せた。バトン部の柿崎ひかるさん(3年)も「得点が続けて入って、ノリノリで踊っています」と話し、ポンポンを振って盛り上げた。
応援席に緊張が走ったのは七回裏。六回まで2失点に抑える好投を見せてきた綱脇投手が、ソロ本塁打を浴びた。ピンチが続いて綱脇投手が降板すると、きっちり役割を果たした先発投手に大きな拍手が起こった。
継投した清水投手は1点を許したが、九回には公式戦で自身初めてとなる球速150キロを記録。「出た」。スタンドがどよめいた。清水投手は最後の打者を二塁ゴロに仕留めて試合終了。吹奏楽部の指揮者を務める山岸遥菜さん(同)は「明日も演奏をまとめます」と声を弾ませた。
花咲徳栄・岩井隆監督「攻め続けられた」
「一回から九回まで攻め続けよう」と事前に選手たちと話していて、実際そういう試合ができた。そろそろ疲れも出てくる時期なので、しっかり調子を整えて次の試合に臨みたい。
花咲徳栄・千丸剛主将「最後まで持ち味」
初回に先制してからも気を抜くことなく、最後まで持ち味である打撃力を発揮できた。今後の試合も、とにかく攻め続け、次にチームを担う選手たちの励みになるようなプレーを見せたい。