ブラジルの子供たちに『日本野球』の素晴らしさを伝えたい−−。JICAのボランティア派遣で杉戸町清地2の大橋貴博さん(22)が2年間、サンパウロ州アチバイア市で8〜15歳の少年に野球を指導する。30日の出発を前に24日、杉戸町の古谷松雄町長を表敬訪問した。野球指導を通した国際貢献への思いを語り、古谷町長は「貴重な経験をゆくゆくは地元でも生かしてほしい」と激励した。
大橋さんは、小学生時代から硬式野球に取り組み、杉戸町立広島中学から県立春日部東高校、日体大に進学。野球部で選手として活躍し、同大4年生からは学生コーチに就任していた。
今年3月に同大を卒業した大橋さんは4年生の春、JICAのボランティア短期派遣でブラジルに渡り、1カ月生活した経験がある。この時は、短期だったこともあり、言葉の壁を越えられないまま帰国した。「短期派遣で得た日系少年らの野球を学びたいとの願いをかなえたい。少年らに野球を教え、かつ自分も磨きたい」と長期のJICAボランティアに挑戦したという。
「ブラジルの野球の歴史は、日本からの移民とともに始まり、日系人によって、構築されたと言っても過言でない。しかし、近年、日系子弟の野球離れ、指導者不足などの問題を抱えている。こうした状況に歯止めをかけ、再び野球の活性化を図る機運を支援したい」と語る大橋さん。「日本野球はブラジルで礼儀やフェアプレーを重んじるスポーツとして教育に好影響を与えている。日本の野球が技術面以外でも高く評価されていることを知った。この野球の素晴らしさを伝え貢献をしたい」と話している。
(毎日新聞埼玉版)