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球児に困難越える自信を 新井清司・市川越監督に育成功労賞

 日本高野連が高校野球発展に寄与した指導者に贈る「育成功労賞」に、今年は市川越監督の新井清司さん(59)が選ばれた。37年以上にわたり県内の高校で責任教師や監督を務め、選手の育成、学校の活性化に尽力した。「ここまでやって来られたのも、生徒たちがついてきたから」。日焼けした顔に笑みが浮かんだ。

―高校野球の指導者を志されたきっかけは。

「城北(東京都)の野球部時代です。引退後もチームの助監督になり、後輩の成長を見るのが面白くて。大学生になっても時々、母校を訪ねました」

「選手時代は捕手で主将でしたが、肩の痛みで思うようにプレーできませんでした。コップが持てないほど、痛みに悩まされたことも。だから、生徒たちにはけがをしてほしくない。指導者になっても一貫していることです」

―振り出しは新設校ですね。

「所沢北の赴任当初は部員が十数人ほどで、エースが練習に来ないなんてこともありました。このときは『一方通行の指導は自己満足ではないか』と考え、生徒目線を心がけて、髪形は自由に選ばせたり、練習のマンネリ化を避けて、冬の練習もやめたりしました」

―次に赴任した学校では、グラウンド作りからはじめたそうですね。

「内野は草が生えていて水はけも悪かった。グラウンドの砂を入れ替えるため、トラックが何往復もしました。ブルペンはトタン板を重ねて手作りで。一から部を作り上げているという実感はありました」

「野球などの学校でのスポーツは生徒指導の意味もあります。恵まれない環境でも、生徒に困難を乗り越えてもらう。競技に勝って自信をつけてもらう。生徒が生き生きとすれば、学校の活性化にもつながると思います」

―現在の市川越では。

「指導方法は変わりませんが、市川越は伝統校。重圧は感じました。勝つように指導をしても生徒がついてこなければ、意味がありません。やる気を引き出すのが務めと思っています」

「4、5年前からは部員による地域清掃や除雪のボランティア活動をはじめています。地域の方から『いつも元気をもらってます』と声を掛けてもらえることも。野球にとって、人と人の共存は大切なんですね。野球は多くの人たちの支えがあってプレーできるのですから」

◇あらい・きよし 1955年川越市生まれ。早稲田大学卒業後の78年、創立5年目の所沢北に赴任。93年に狭山清陵に移り、3年で県シード校に成長させた。2005年に地元・川越に戻り、市川越に着任した。08年に春季関東大会8強、13年秋には21世紀枠推薦校に選ばれた。昨夏の埼玉大会は準優勝に導き、才腕を発揮した。

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